ビットコイン2.0とエンターテインメント

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ブロックチェーンを用いた個人認証・IDプロジェクトが登場

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 bitcoinに使われているデータの持ち方であるブロックチェーンには、データが改ざんされにくいという特性がある。

 

これをタイムスタンプに応用しましょうと言うプロジェクトが、ブロックチェーンが熱を帯びている街ロンドンで開始されたようだ。Delta Business Managementという投資会社が開発を行っている新たなbitcoin 2.0サービス、その名もDelta ID Coin。

 

今回はこのプロジェクトについてのNEWSをピックアップ。

 

タイムスタンプでいつ・どこで・誰がを把握せよ

このタイムスタンプとはそもそも何だろう。例えば、アルバイトの出退勤みたいなもののデジタル版だと想像するとわかりやすいかも。

出勤時に出勤した時間を自分のカードやデータに記録する。そして退勤時にも同様に記録する。これを積み重ねていくことで、一ヶ月の間、誰がいつ出勤し、退勤したのかが分かるようになる。それを照合すると、誰が何時間働いたのかが分かるようになる。

 

(デジタル)タイムスタンプとは、これをデジタルで行い、電子データがある時刻に確かに存在したことを証明するデジタルの時刻証明書だ。

 

このタイムスタンプにブロックチェーン技術を用いたのが今回のDelta ID Coinである。

 

Delta ID Coinには以下の3つの特徴があるようだ。

 

既存のBlock Chainネットワーク上で機能する

今回の開発のコインには、Omni Layer(旧Master coin)のアセットが使われている。つまり、コインを新たに独自で作るのではなく、Omniの派生として開発が為されている。

 

これに関してDouglas Millard氏曰く、勝手に簡潔に私が意訳すると、

 

「コインがメインで競っているわけじゃないし」

 

とのこと。

 

今回利用されているOmni Layerの他に、Counter Party、Colored Coinなどのサービスは既存のブロックチェーンのレイヤーの上に独自のレイヤーを構築するという手法を用いて開発されている。これにより、今最もサーバーの規模が確保されているBitcoinのマイニングプールをそのまま使うことができるので50%アタックに対する安全性が高いというメリットが有る。

タイムスタンプをブロックチェーンレイヤーに記録

Deltaはタイムスタンプ情報をブロックチェーンに記録する。これによりどこで・いつの情報が、ブロックチェーンの特徴を活かした改ざんされない形で保存されることになる。

また、ブロックチェーンへの保存はネットワーク全体で記録されるという特徴をもち、どこか特定の場所で管理されているわけでもない。つまり、サーバーが落ちたり、ハッキングなどで情報が消えることがないということをも意味する。

 

実はブロックチェーン自体にもタイムスタンプ情報を記録することができるのだが、今回はこのタイムスタンプに対して、Deltaは独自の情報を付与する。それが「誰が」と言う情報だ。

KYC(Know Your Customer)情報をひも付け

DeltaはこのDelta ID coin登録時にKYC情報として、以下の登録を義務付けている。

  • 名前
  • メールアドレス(連絡用も兼ねる)
  • ビットコイン返金用のウォレットアドレス
  • 個人情報を証明するドキュメント2点の画像

この個人情報を一番最初にOmni Layerで発行されるアセット(今回の記事では、細かいニュアンスは省きます)という器に入れて、これもbitcoin アドレス上に格納されうる。これまたブロックチェーンの改ざんと消失に対する耐久性をもって保管される。

 

Delta IDを使えば、このOmni Layerに保管されたKYC情報を担保にして、確かに個人が使ったものですよということを証明することが出来るというということだ。

 

これでタイムスタンプの特徴である、「いつ・どこで・誰が」を把握することができるようになる。

 

Delta ID coinを利用して、もうすぐできること

記事によると、今回DeltaチームはGatwick空港への駐車場所の登録に使えるとのことだが、ウェブサイトを見るとstorefirstという貸し倉庫の契約も行えるようだ。

いまいち記事から利用方法がイメージ出来づらかったのだが、調べてみると、単に購入をこの外部の暗号通貨を用いてできるという取り組みのようだ。この方向性だと、「事前登録と支払いを行うことで、当日受け取りが便利!」みたいな、そういう用途の使われ方をメインにしていくところから始めるのかな。

 

利用方法

  1. Omni Layerを用いているので、ここが発行するOmni Walletをダウンロードする必要がある。
  2. サインアップ:www.deltabusinessmanagement.comでKYC情報の登録
  3. Omni walletでDeltaのアセットを購入
  4. ?)別途Deltaに英ポンドを支払ってbitcoinを買えるみたい。しかしその際には、手数料5%を抜くとのことで、割高感が否めない。
  5. 書いていなかったのと、未だ試していないが、OmniないでDelta ID coinというアセットをbitcoinで購入するはず。
  6. あとはDeltaのウェブサイトから購入したいサービスのプランを選んで決済

 

KaBananaの感想

このニュースは今のところ特に新しい技術を浸かっているわけでもないので、既存の技術を用いて何ができるのかに焦点を当てて評価するほうがおもしろいかも。コインの開発は必ずしも必要ではないというスタンスですらも、既に複数のプロジェクトがとっている。

しかしながら、このように暗号通貨やブロックチェーンを技術コアに据えたサービスの設計は今後も増えてくるはず。AWSの「使った分だけ」の考え方が新しかったように、ブロックチェーンもある意味、使った分だけ方式で手数料がかかるだけと言う捉え方もできる。今回、間に入って企業とユーザーの両方から手数料のようなモデルを採用している。せっかくのP2P技術の思想から言うと、個人的にはこの中貫以外の何か新しいビジネスモデルの登場を期待せざるをえない。

 

とはいえ今回、企業としてDelta Business Managementの取り組みもまたbitcoinを用いた支流のプロジェクトとしての新しく、大きな一歩だ。世界の小売サービスへの導入は、このインフラを共通化してしまえば大幅なコスト削減に繋がるのではないだろうか。

 

さてさて明日も朝からカフェ三昧。

 

ニュースソース:

http://cointelegraph.com/news/115703/delta-id-coin-new-utility-altcoin-developed-for-timestamping-system

Delta公式:

Delta Business Management